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米ミシガン州、ヘルメット非着用認可で負傷事故が急増

投稿日:2016年1月15日 更新日:

ヘルメットの着用義務と、バイクの死亡事故の関係は直感的に理解できると思う。しかし今回、The American Journal of Surgery誌に投稿された研究によって、ヘルメットが事故から命を守るのに貢献するという科学的根拠が得られた。

この研究は、2012年春からヘルメットの着用義務を廃止したアメリカのミシガン州に着目したものだ。ミシガン州では、21歳以上、免許取得から2年以上、少なくとも医療保険の保証適応額を2万ドル以上に広げる、などの条件を満たせば、ヘルメットを着用せずにバイクに乗ることが認められた。

州議会がヘルメット着用義務を廃止したことが誤りと仮定した場合、この研究では、ミシガン州におけるバイク事故における深刻な怪我、そして死亡事故が増し、バイク乗りに対して精神的悪影響を与えた、と結論づけている。

また、ほとんどのバイク死亡事故はヘルメット着用義務廃止後に急増していると指摘している。主なデータはこの研究の主著者であり医師であるカルロス・ロドリゲス氏が務めるミシガン州グランドラピッズのスペクタル・ヘルス病院の外傷センターで得られたものだ。

廃止後のわずか数週間で、同病院にそれまでより多くのバイク乗りが運び込まれた。以前は搬送されたうちヘルメットを着用していなかったライダーは7%だったに対し、廃止後には4倍の28%にものぼった。また、同病院に搬送されたヘルメットを着用していなかったライダーの死亡数は、3%から10%へと約3倍の増加をみせた。しかし、最も衝撃的な統計としては、ヘルメットを着用していれば防げた不慮の事故の死亡数が、なんと法施行前が14%に対し、約5倍の68%にも増えてしまったということだ。

興味深いことに、ヘルメットの着用義務廃止は、ライダーのアルコール摂取にも影響を及ぼしている可能性があり、病院に搬送されたライダーの血中アルコール濃度が増加していたということもレポートされている。ヘルメットを使うか否かと事故の割合についてはあくまで憶測の域に過ぎないが、興味深い統計である。

今回の研究では、病院に搬送されたヘルメットを着用していなかったライダーは集中治療室で治療を受ける期間が長く、呼吸の補助が必要な割合も多かったというもので締めくくられていた。

ロドリゲス氏によると、ヘルメットを着用していなかったライダーの病院での費用は、着用していたライダーに加えて平均して32%高い治療費を払っていることも述べている。

もちろん、今回の調査は一つの病院での統計結果だけを反映させているため、様々な意見を持つ人はいると思う。しかし、今回のこの研究はヘルメット着用義務を廃止前後の比較として非常に良い例である。記事の冒頭にも述べたように、ヘルメットの着用と死亡事故の関係は直感的に理解できるもので、おおよその内容の検討はついたと思うが。その他で今回の研究で新たにわかった点としては、廃止後急速に搬送されるライダーが増えたこと、そして治療費に大きな差が出たこと、などが挙げられる。

日本では今後ヘルメットの着用義務が無くなることは無いと思われるが、改めてヘルメットの重要性について考えさせられる一つの研究結果である。

Reference:Asphalt&Rubber, American Journal of Surgery, Reuters

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